山根万理奈 ニューアルバム「YAMANEMAN」4/5発売

 「“あなたのリクエストでオリジナル楽曲を作ります”という特典があって、そういうリクエスト曲たちでひとつのアルバムにしてみないかということになったんです」。

そんな山根万理奈のニュー・アルバム『YAMANEMAN』が4月5日(水)にリリースされる。

 

山根万理奈は島根県立大学在学中にYouTubeへ顔を出さずにギターを弾いて歌う動画を配信して話題を集め、再生回数650万回超を記録した。20117月にメジャー・デビュー。20135月にアルバム『好きで悩んでるわけじゃない』を、現在も籍を置くレーベル:バーガーインレコードからリリース。毎年100回以上のライブを重ねることで、着実に全国のファンに等身大の歌を届けていく。20149月にリリースしたアルバム『歌ってhappy!』から、アルバムの制作資金をクラウドファンディングという方式で募り、“山根万理奈の歌を聴きたい”という意思を持つパトロン(ファン)の支えを活動の軸に据えた。続く20156月にアルバム『愛と妄想、25歳。』、20165月にアルバム『山根万理奈とマリナッチ楽団』と3枚連続で、クラウドファンディングによるファンからの期待に応える方法で、明快なコンセプトと多彩な音世界を構築してみせた。

 

今回完成したアルバム『YAMANEMAN』も、これまで重ねてきたキャリアからさらに飛躍を遂げた大きな変化、そして想像を超える個性、オリジナリティに満ち溢れた作品となった。

「前作(『山根万理奈とマリナッチ楽団』)は、曲を書く段階から“こんなふうにしたい”と想定したコンセプチュアルなアルバムで、みんなが楽団員で一緒に盛り上がっていこうという作品だったんですよ。いきなり踊り出す曲もあったり、新しいことをいっぱいしたので受け入れてもらえるか心配もあったけど、終わってみると“いいものだったね”って言ってもらえた。でも今回はあまりその流れを引き継いでいこうという感じでもなくて。クラウドファンディングで“あなたのリクエストでオリジナル楽曲を作ります”という特典があって、そのリクエスト曲がけっこうな数になっていた。一曲一曲本当に時間をかけて私が直接リスエストを下さる方とやりとりして作ったから、思い入れも強い曲ばっかりだし、デモを送ったら喜んでもらえた。こちらの制作サイドも“いい曲だからリクエスト曲たちをひとつのアルバムにしてみないか”ということになったんです」。

 

メジャー、インディーズに関わらず、楽曲をパッケージ化するには、マネージメントやレコード会社がそのアーティストに期待する内容に応えることで制作資金が投資されるという仕組みが通常な音楽業界の中で、山根万理奈は、直接ファンにその支えを募り、期待を資金にするだけでなく、曲のリクエストも直接受け止めて楽曲を作るという、これまで誰もやっていないことに挑んでいる。

「今回のアルバムは、そういう(全曲リクエスト曲で構成するという)意味では、リクエストだから曲がそれぞれ違うんですよ。私のことを歌っている訳じゃないような曲もあるし、曲作りの段階でも全然違う。だけどリクエストを自分の中で自分のフィルターを通して、嚙み砕いて曲を書いていくと、やっぱり“私”の部分がすごい出てくるし、私の曲にもなっていく。自分の中に居る“私”、それが「YAMANEMAN」だと思って(笑)。みんなの中にそれぞれ居る、そんな部分を表しているアルバムだなという気持ちを込めてタイトルにも付けたんです」

 

作家、例えば作詞家や作曲家がたくさんの歌手に提供した曲を1枚のアルバムにまとめた作品は、これまでにも存在する。だが本作は、ソングライター、クリエイターとしての山根に対して“こんな曲を作って欲しい”とリスナーに募り、その期待に応えた楽曲をシンガーの山根が歌うことで1枚のアルバムになっていることが極めて新しく、そして曲の本質も無限の広がりをみせた。この企画ならではの醍醐味、そして苦労は相当なものだったと想像できる。

「醍醐味としては、思いもしなかったアプローチをしてもらうので、自分でも“あっ、こんな引き出しがあったんだ”っていう発見もあるし、今までやってこなかったことを頑張ってやってみるという面白さがありました。私はひとりだけど、昨年(マリナッチ)楽団を作って、お客さんも“自分たちもバンド・メンバーだ”みたいな気持ちだということに気づけたし、実感したし、それが出来ることが喜びで。苦労したのは、リクエストなのでどこまで自分がちゃんと応えられるかっていうプレッシャーもあった。どういうふうに作ったり歌ったりしたら、この人は喜んでくれるんだろうかって悩んだけど、それもまた実は楽しい部分かもしれないですね(笑)」

 

そしてこれまでのアルバムと比べて、本作が飛躍的な成長を感じさせたのは、“ボーカリスト・山根万理奈の表現力の多彩さ”だ。その情感豊かな歌声はYouTubeで話題を集めた頃からすでに高い評価を得ていたが、今回のアルバムに詰め込まれた歌唱は、語るように、囁くように、祈るように...、フルスロットルで歌い切る以外の手法を使い分け、声を重ね合わせるときもこれまでと違った響きを紡いでいた。強い意識とこだわりに裏打ちされた音色に感服する。

「今まで以上に言葉とか歌のメッセージを大事にしたいなと思って。一曲一曲ごとに曲のイメージで歌い方を変えるというのは今までも意識はしていた部分なんですけど、もっと内に秘めたものを出せるように...。うーん、発声的なことなのかもしれないけど、勢いだけじゃないふうに歌いたい、丁寧に歌いたいなっていうのはすごく意識してました。自分で曲は書いているんだけど、私はシンガーで、歌うということを軸に置いているっていう意味で“もっと曲に応えていきたい”というところが面白く出すことができたなって思います」

 

ファンから届いたさまざまなリクエストに応えた全12曲。曲ごとにどんなエピソードがあったのかを本人からたくさん訊いた。だが、音楽は作品として完成した以上は、聴き手が自由に解釈して楽しむべきものだから、ネタバレになるような経緯を伝えることは相応しくない。ただ彼女がこの作品を制作する上で、こだわった想いがうかがい知れた言葉をいくつか紹介したい。

 

「すごい鍛えられましたね。自分でわかってない部分が私はすごく多くて、もう30も近いのに本当に自分のことをわかっていないなって日々思うんですけど(笑)。そういうことをまわりの人にこじ開けてもらってるというか。でもそれも私の進み方なんだと思う。それで開けて良いものが作れるんだったらいいじゃない!って思うんですよね」

 

「私、そんなに器用じゃないですしね。でもそれがみんなにバレてるんですよね(笑)。バレてるし、できないくせに猫かぶってちゃんとしてる感じも本当はみんなわかってるんだけど、でも私は私なりにそうやって一生懸命だし、そこをみてくれている人がいるんだなと思います」

 

「洒落じゃないけど、言葉、発音の部分で遊んでる曲がいっぱいありますね。今の気分だったり、好きなんだっていうのがすごく出たアルバムだなって、恥ずかしいくらい色々ありますね」

 

「これはある意味、挑戦だと思って。自分のイメージで爆発する気持ち、強い気持ちが欲しいと思って、ならば“怒り”だなって(笑)。“怒り”って、私、実はほとんど書いたことない。それって自分の性格が出ていて、あんまり攻撃的じゃないんですよ、私。だから書かなかった部分を書いてみたくて」

 

「共感できる部分もあるんだけど、どっちかと言うと、違うところから見てる感じはしますね。自分ひとりで書いてたらもっと自分のリアリティを出しちゃうかもしれないけど、そうじゃない感じを書けたのがすごい面白かったです」

 

こんな多岐に渡るこだわりをひとつひとつ積み重ねて完成したアルバム『YAMANEMAN』。聴くごとにそのひとつひとつがじわじわと自分の気持ちのどこかを揺らし、いつの間にか心の大きな部分に居心地の良い感情を残していく。ぜひともじっくりと何度も聴いて欲しい。

                                        2017年3月   浅野保志(ぴあ)

 


「YAMANEMAN」

1.ARASHIMAN

2.BOMB ! BYE ! YEAH !

3.上京上等エトセトラ

4.飛んでけタマシイ

5.ひとりぐらし

6.ハレルヤ

7.夢の日色

8.大好きなあなたへ

9.バイバイ3月

10.あの子はブルージーンズにて

11.次、恋をしたなら。

12.松丸くんのうた

 

全曲作詞作曲:山根万理奈

(m-12 作詞:Hisami&Makio、作曲:山根万理奈)

BUCA-1042 ¥2700(TAX IN)

リリースツアーで各地にお邪魔します!

詳しいスケジュールはこちらをご覧ください。

ツアースケジュール